今年も「開炉式」を無事に迎えました。[2022年11月]
11月3日(木)、今年も無事に開炉式を社中の皆さんと迎えることができました。
まだまだ感染症の不安もあり、午前と午後の2グループに分けて実施。
濃茶は各服点、薄茶茶碗も使い回さないよう人数分の準備と道具の数も手間も増えましたが、不思議とスッキリとした心地の良い疲労となり穏やかな週末を過ごしています。
11月は茶の湯にとって大切な節目の月です。
ひとつは、その年の5月に摘まれた新茶を使い始める「口切り」。
ふたつ目は、湯を沸かす釜を風炉から炉へと切り替える「炉開き」で、そのため11月は「茶人のお正月」ともいわれています。
旧暦の10月(現代では11月頃)は「亥の月」。
陰陽五行では亥は「水性の陰」ととらえられ、火に勝つことから“火難を免れる”という言い伝えがあり、亥の月の最初の亥の日「亥の子の日」に暖房器具を出すのに良い日とされています。
そのため火を扱う炉もこの日に開ける習慣がありますが、我が家では皆さんが集まりやすい祝日に「開炉式」を行い、お祝いをしています。
今年は開炉に備えて畳を全て張り替え、リラックス成分豊富なイグサの香りに包まれながら、皆さんと楽しい時間を共有することができました。
この一年以内に入会された方々は、初めての行事に緊張した様子で席入りし、初めての濃茶を前に「これ飲むの!?」と不安な表情をされていましたが、「楽しかったです。濃茶も甘くて美味しかった。」と言ってニコニコして帰られる顔を見ると「これが茶道だな」と実感して温かな気持ちになります。
さて炉の季節の始まりで、点前もまた少しずつ変わります。
頭を切り替え、また稽古に励みたいと思います。